Rails Developer Meetupで「バス因子が自分でバス因子を脱するための方法」を発表した
Rails Developer Meetup 2018 2日Bトラックで、 「バス因子が自分でバス因子を脱するための方法」を発表してきました。
この規模の登壇は初めてで、すごい人が多い中だったので割と終始ビビっていましましたw
思っていたより、会場や資料公開後のインターネット上で反響をいただいてびっくりしています。 最近良く思うのですが、自分が悩んでいたり陥ってる状態だったりは、大体多くの人が経験しているんだなぁ、という気持ちになりました。
この発表をするにあたり考えたことだったり、反響を見て考えたことだったりをゆるく書いていこうと思います。 整理するというよりかは、あーこんなことあったなーみたいなのの記憶をたどりながらという感じ。 ちなみに今、横に日本酒があるので文章読みづらかったらごめんなさいw
テーマを考えている時に同僚の@ujmさんに、 「具体的なエピソードを入れるとその人にしか発表できないものになるので、具体的なエピソードをベースに組み立ててもいいかもね」みたいな話をされて、 自分が経験したエピソードで他の人に話したいことはなんだろう?っていうのをまずは考えました。
また、去年の10月頃、会社で開発部のリーダーという役割をいただいたのですが、 リーダーはドメイン知識・運用知識に基づいて、組織を成長させる役割なので、 その時からスケールする組織にするにはどうすればいいのだろう?ということをすごく考えるようになりました。
そんな事を考えながら2ヶ月ぐらい過ごした後に書いた記事が会社のブログにあります。 in.fablic.co.jp
わりとモヤモヤしていて、なにかこう教科書になるようなものがないかな?と思っていた時に エラスティックリーダーシップという本を読みました。
その中にでてきたバス因子に対処する
の章にすごく衝撃を受けました。
エラスティックリーダーシップには、なぜバス因子を減らさないといけないのか、バス因子のリスク、
そのためにマネージャーのような立場の人がどう動くべきかみたいな話が書いてあります。
「いや、私マネージャーじゃなくて当人なんだけどやべぇ(自分リスクかよ、みたいな)」
そういえばバス因子だと自覚したのはどういうときか聞かれていろんな回答をしましたが、本を読んだ時に割と明確化したのかもしれない。
属人化というキーワードがあると思うのですが、属人化って人によっていい意味(専門性という意味)で捉える場合もあれば、 割と誰でもできるのに一人の人がやっちゃってるみたいな悪い意味で捉えられている場合もある気がしていて、 属人化をへらすだと違和感があるなぁとおもっていて、 バス因子をへらすだと私は「(いきなり)いなくなったらやばい」という意味で捉えられるかなとおもっていて、そういうタイトルにしました。
ちなみにしばらくたつまで、恥ずかしながらトラックナンバーっていうキーワードの存在は知りませんでした。
なので、ちょうどリーダーと言う役割で組織をスケールするのと、バス因子を脱するためにやるべきことが一致しているなぁとおもっていたところだったのと、自分の具体的なエピソードが話せそうな旬な話題だったので、このテーマになったという感じです。
実際、発表内容を考えるのは結構難しくて、「こういう風にするべき」という理想論って沢山あるし思いつくんですけど、 それを章立てにしていくと、全然面白くない内容になっちゃってw 実は2月に一回短縮versionを恵比寿.rbで発表しているんですけど、どうもその時自分の中ではこれじゃない感がまだありました。 その後、エピソードを時系列にならべて作ってみたりもしたんですが、それも間延びして結局何がいいたいんだ?みたいになってしまって、 大分苦しんでいました。
そういう状態で、前前前日の木曜日に@ujmさんにもうだめだーとかいいながら、もうだめだ状態のものを見てもらってアドバイスをもらって。 その時には、生々しい話のほうがおもしろいけど、内輪ネタっぽくならないようにしないといけないからそのバランスが難しいね、でも日頃の積み重ねが出てくるので他の人には作れないおいしい話、みたいな話をしたりしました。
その時にでてきた雨漏りとバケツ置きの話を使いたかったけど時間の都合上お蔵入りしたのはちょっと残念w
それでなんとか立て直した状態を前前日の金曜日に会社でエンジニアの前で発表した(その時初めて30分全部喋った)んですが、そのときは、文字が小さい・文字が多い・内容がもりもり過ぎてついていくのが大変みたいな話になりました。
あとは30分だと定期的に「これについて話します」「こういうことについて話しました」を挟まないと聞き手が覚えられないよ、みたいな話を複数人からフィードバックもらいました。
それがすごく良くて、この話は自分が何を話したいんだっけ?っていうのを考えることになって頭の中が整理されました。
あと、文字をおおきくしてスライドをわけて、ココまでに収めたい文字数のワーディングにし直したりもして、 割とスッキリ見やすい形にはなったかなと思います。
土曜日にDay1に行って発表を見るときも、内容はもちろんのこと、 スライドの文字の大きさをチェックしたり、発表者の会場とのコミュニケーションを見たりといつもと違う視点で見ることが出来ました。 わりと「みんな現実てきなあるあるで共感できる」みたいな話がおおくて、安心したりしました。 Quipper における「関心の分離」の歴史に出てきた 「分断されたモノリス」というキーワードが、まさにうちのサービスはこれだ!と思って使わせていただきました...!
登壇で喋っている時は、割ともう覚えてない。。。w
登壇後、直接良かったよーといっていただいたり、twitterをみていると共感が思ったより多くてびっくりしました。 バス因子というワード自体があまりみんな使っていないっぽくて、エゴサーチしやすかったので割とだいたい目を通してみました。
バス因子は、実は空想とか願望とか思い込みなんじゃないか?みたいな話がちらちらあって、 最近、実はそうなんじゃないかなーって私もおもっています。 多分明日バスに轢かれて死んでも、サービスがいきなりなくなったりはしないと思う、それは間違いなくそう思います。 ただ、毎日ハードに使っている一台のPCがいきなりPCぶっ壊れたりしたらいろいろ不便になるような感じなのかなと。 (たとえが微妙かもしれないけど)
「いきなり」っていうのが肝かなっておもっていて、いなくなる日付がわかっていてじわじわいなくなるのとは別かなーと。 誰かが会社を退職すると、いくらその人が引き継ぎしてくれれてもちょっと違和感があるのと近いのかも知れないですね。 歯が抜けても間が詰まるかもしれないけど、大きい歯だと違和感があるというか。
あと、バス因子のひと、自分でバス因子になっていること楽しんでるでしょ?みたいなのは、 そうかもしれないなーと思っていて、好きじゃないとその状態にならないのかもしれない。
あとtwitterでみつけた、こちらのツイートに。
自分が信念を持って正しいと思っていることを純粋にやっていくことが逆に「やってはいけないこと」になってしまうというのは、なんとも悲しい話だな…。
— Kensuke Nagae (@kyanny) 2018年3月25日
私ももちろん正義だと思ってやってきていて、そうやるのが自分の信念だったから本当になかなか習慣がぬけなくて、 未だに反応しないでおこうとおもうけど、すごくもやもやするし、手を出してしまったりすることもあります。
ただ、組織の成長フェーズであることを受け入れないとサービスの成長が止まってしまうことをすごく感じているので、 少々我慢しないといけない時期だなぁと思って生きています。
「客観的に見てどうするべきか」と「どうするべきかは置いといて自分がどうしたいか」っていうのがあるなぁとおもっていて、 私は自分でいうのもなんですが、超スタートアップ向きの人間なのでどうしたいかと言われたらもちろん自分の最高スピードで仕事がしたいです。
ただ、今は客観的に見てどうすべきかをする時期だとおもっています。もちろん心苦しいです。 やりたいことをするためには、期待役割を果たしてからだなぁと思っているので。 そして、やったことがないことをやってみるのも、又経験のうち出し、経験したことがないことはわからないので。
個人的には「客観的に見てどうするべきか」と「どうするべきかは置いといて自分がどうしたいか」が一致している状態だと すごくのびのびと仕事ができて良いなぁと思います。でもどうしたいかを考えるきっかけになったのですごく良かった。 この話はしだすとながくなるのと、この先書きたこともあるので一旦この辺に。
ブログにもかいていただいたみたいで、ありがとうございますm( )m blog.kyanny.me
そんなこんなで、発表を聞いていただいた皆様・資料を見ていただいた皆様ありがとうございました!
ちなみにRailsDMで質疑応答に使っていたamaで質問への回答をしています〜しばらく見ているので何かあれば。